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プロクター・アンド・ギャンブル(以下、PG)について、2019年 4Q決算発表が7月末にありましたので、その内容について振り返ってみたいと思います。
このPGのこれまでの配当金推移、増配率、業績の推移などについては、『米国プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)【PG】の配当金・増配・売上・営業利益などの推移』を読んでみてください。
この記事が参考になる方は、以下の方です。
この記事が参考になる方
- PGの決算結果を知りたい
- 投資対象とするか悩んでいる方
2019 4Qの決算結果
では、決算の主要な指標・結果について確認していきたいと思います。2019年 4Qの結果は、増収減益(ただし、特別項目を除く1株利益では増益)でした。最高経営責任者CEOは、“2019年度では、売上、利益、キャッシュにおいて目標を達成した。年間を通じて、売上高、市場シェア、そして利益率の勢いをあげた。また10年以上にわたり、最も堅調な既存事業売上高の成長を成し遂げた。今後も安定したバランスのとれた売上と利益の成長を実現する”と言っています。
売上高
- 売上高は、170億9400万 USドルでした。前年同期比で4%の増加です。市場予想(168億6000万 USドル)を2億3400万 USドルほど上回りました。
- 為替の影響で、4%ほど売上高は減少しています。
- 既存事業売上だけで見ると、7%増加しています(既存事業の出荷数量は3%増)。
- 製品の値上げにより、売上高は3%増加。
2019 4Q | 2018 4Q | 増減率(%) | |
売上高(net sales) | 17,094 | 16,503 | 4 |
(単位: 百万USドル)
セグメント別の既存事業売上の増減
- Beauty部門: 前年同期比と比較して8%の売上高増加。スキン&パーソナルケア事業の既存事業売上は、市場成長、技術革新、スーパープレミアムのSK-ⅡブランドやOlayスキンケア、製品値上げ等の影響で10代半ばの層で増加。ヘアケア製品は、値上げの影響で1桁台の増加。
- Grooming部門: 前年同期比と比較して4%の売上高増加。シェーブケア事業の既存事業売上は、1桁台の増加。これは、先進国の成長や製品値上げの影響による恩恵を、ある特定地域での販売数量の減少や市場縮小により一部相殺されたため。家電製品の既存事業売上は、2桁増加。
- Health Care部門: 前年同期比と比較して10%の売上高増加。オーラルケア事業の既存事業売上は、プレミアムな技術革新、先進国での成長、プレミアムパワーブラシ、ペースト製品や製品値上げによる効果で1桁台後半の増加。
- Fabric and Home Care部門: 前年同期比と比較して10%の売上高増加。ファブリックケア事業の既存事業売上は、2桁の増加。これは、技術革新、市場成長等による。
- Baby Feminine and Family Care部門: 前年同期比と比較して5%の売上高増加。
セグメント | 既存事業売上高(organic sales)の増減率(%) |
Beauty | 8 |
Grooming | 4 |
Health Care | 10 |
Fabric & Home Care | 10 |
Baby, Feminine & Family Care | 5 |
合計 | 7 |
(単位: %)
営業利益
- 営業利益(GAAP)は、前年同期比で301%の減少。ジレット事業に関係したのれん代償却、そして無形固定資産の減損処理が原因。
- 営業利益(non-GAAP)では、前年同期比で7.7%の増加(既存事業の利益ベースでは成長している)。本業ベースでは増加。
2019 4Q | 2018 4Q | 増減率(%) | |
営業利益(GAAP) | △5,192 | 2,587 | △301 |
営業利益(non-GAAP) | 3,350 | 3,110 | 7.7 |
(単位: 百万USドル)
EPS
- EPS (non-GAAP, 調整後EPS)は、1.10 USドル。全同期比で17%の増加。市場予想(1.05 US$)を上回った。
2019 4Q | 2018 4Q | 増減率(%) | |
EPS (GAAP) | △2.12 | 0.72 | △394 |
EPS (non-GAAP) | 1.10 | 0.94 | 17.0 |
(単位: USドル)
キャッシュフロー
- 各種キャッシュフローは以下の通り
2019年度 | 2018年度 | |
営業活動からのキャッシュフロー | 15,242 | 14,867 |
投資活動からのキャッシュフロー | △3,490 | △3,511 |
財務活動からのキャッシュフロー | △9,994 | △14,375 |
(単位: 百万USドル)
2019年度の決算
- 売上高は、前年同期比1%増の677億ドル。為替、買収および売却の影響を除くと、既存事業の売上高は、既存事業売上数量が2%増加したのに対し、5%増加
- 希薄化後EPS(GAAP)は、61%減少の1.43 USドル。non-GAAPベースの調整後EPSでは4.52 USドル。
2020年度の通期予想
- 売上高予想: 676億8400万USドルに対して+3〜4%(697億1500万 USドル〜703億9100万 USドル)
- 調整後EPS予想(non-GAAP):4.52 USドルに対して+4〜9%(4.70 USドル〜4.93 USドル)
(引用: 米国PG HPより)
プロクター・アンド・ギャンブル【PG】の2019年4Q決算結果のまとめ
- 2019年 4Qの決算は、non-GAAPベースで増収増益(既存事業売上も7%増加)
- 市場予想を上回り決算結果はよかった
- 2020年度の業績予想は、売上、EPSもそれぞれ、3-4%、4-9%増加。
※投資は自己責任でお願いします。