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ウォルマートインク(以下、WMT)は、アメリカに本部を置く世界最大のスーパーマーケットチェーン企業です。今回はこのWMTの配当金推移、増配率、業績の推移などについて確認していきたいと思います。
WMTが行うビジネスでは、世界中の人に、小売店だけでなく、オンラインで自分のスマホなどのモバイルデバイスを通じて、必要なものが購入できるようにサービスを提供しています。毎週、2億7500万人を越える顧客がWMTを利用しています。顧客は、世界27カ国にある11300以上の店舗やeコマースWebサイトにアクセスしてサービスを利用しています。
この記事を読まれている方は、今日は食事をしましたか?していない方は昨日は食事をされていると思います。食事をするためには食料品を購入しなくてはいけませんし、その食料を味付けするための調味料も必要です。飲み物も欲しいですね。このような商品は、WMTのようなスーパーマーケットで購入することができます。これ以外にも日用品を購入することができるなど、このようなスーパーマーケットは私たちの生活に深く関与しています。西友(SEIYU)というスーパーマーケットを聞いたことがあると思います。西友は1963年に設立され日本全国でスーパーマーケットを展開してきました。この西友は2002年にWMTと業務提携を締結し、2008年からは完全子会社化されています。世界最大の小売業WMTの1会社としてビジネスを行なっています。このようにWMTは生活に必要な商品を取り扱っています。
さて、WMTは連続増配を46年(2019年増配発表を含む)行っている企業であること、配当利回りは2%とそこまで高くはないですが、世界最大のスーパーマーケットチェーンであり、バリュー株としてインカムゲイン投資を行う上では期待のできる銘柄です。このWMTについて、配当金、連続増配、売上、営業利益、EPS などの収益指標や配当金などをチェックしてみたいと思います。
この記事が参考になる方は、以下の方です。
この記事が参考になる方
- 配当金の推移を確認したい
- 収益指標を確認したい
- 投資対象とするか悩んでいる方
- 生活必需品の銘柄への投資を考えている
配当金の推移
最初に、米国WMTの現在の株価と配当利回りからです。税引き前で、配当利回り予想は、2.09%となっています。3%以上の高配当株であることが望ましいですが、世界最大のスーパーマーケットチェーンであり、生活必需品の販売を行なっている銘柄のためインカムゲインの投資対象として考えていいと思います。では、続いて、このWMTの配当金の推移について確認してみます。配当金はその年に受け取るだけではなく、今後も安定的に受け取れるかが重要です。また、この際に、配当金が今後も増加するものか(増配率はどうか)気にされる方も多いと思いますので、過去の配当金から今後の配当金の推移を考えていきたいと思います。
株価(US$) | 1株配当(US$)/年 | 配当利回り(%)税引き前 |
101.36 | 2.12 | 2.09 |
各年の配当金と増配率
まず配当金から確認してみましょう。グラフは2004年1月から2019年1月までの配当金推移を示したものです。WMTは、四半期毎に配当金を支払ってくれています。今回は年間配当金について示しています。
グラフを見ていただくとわかる通り、この期間綺麗な右肩上がりで配当金が増加していることがわかると思います。2004年は、年間配当金の受取額は、0.30 US$でしたが、2019年は、2.08 US$となっています。この15年で配当金の支払額が約6.9倍になっています。当時、10万円の配当金を受け取っていた場合、現在は69万の配当金を受け取れている計算となります(税引き前)。
配当金が増加していることはわかりましたが、続いて、実際にその増配率について確認していきたいと思います。WMTは、46年連続(これは2019年2月に発表された連続増配を含む)で増配を続けている優良企業です。
増配率を見ると、綺麗な右肩上がりで増配していることがわかります。しかし、ここ5年では2%の増配率であり、2015年までと比べると増配率を抑え気味です。今後も継続的に増配がされるかどうかの確証はありませんが、2%近くの配当利回りの配当金は受け取ることが可能と思います。(本当は3%以上の配当利回りは欲しいですが)
株式分割の歴史
株式分割の歴史について確認してみます。WMTのHPを見ると、これまで11回の株式分割が行われています。1969年10月31日にウォルマートストアーズ・インクとして登記され、設立されています。1970年10月1日に1株16.50 US$で30万株の株式公開しています。その時以来、11回の株式分割が行われています。つまり100株の株式を保有していた方は、204,800株になっていることになります。最後に分割した1999年3月の株価は、$89.75です。この株価に204,800株を掛け合わせると、莫大な金額になります(約1830万 US$。1800万円ではありません。USドルです)。優良企業を長く保有し続けること、これが資産を増やす方法ですね。お金はゆっくり大きく育てるものです。
分割日(権利確定日) | 分割割合 |
1999年3月 | 2:1 |
1993年2月 | 2:1 |
1990年6月 | 2:1 |
1987年6月 | 2:1 |
1985年9月 | 2:1 |
1983年6月 | 2:1 |
1982年6月 | 2:1 |
1980年11月 | 2:1 |
1975年8月 | 2:1 |
1972年3月 | 2:1 |
1971年5月 | 2:1 |
売上高と売上総利益
続いて、売上高と売上総利益についてです。2010年以降の売上高の推移を確認すると、緩やかに増加傾向にあります。一方、売上総利益率をみると、ほぼ変動がなく約25%です。売上総利益率は、売上高に対する総利益(売上高から売上原価を差し引いた粗利益)を100分比で表したものです。原価はこの10年で変化がなく売上が緩やかに上昇していると考えられます。
営業利益と営業利益率の推移
営業利益と営業利益率についてです。営業利益とは、企業が本業で稼いだ利益を表しています。売上高から売上原価を差し引いた売上総利益から、さらに販管費を差し引いて計算された値です。営業利益率は、この売上に対する営業利益率です。営業利益率は、4〜5%前後です。売上高は上述の通り緩やかに増加している一方で、営業利益が最近減少傾向にあるため、営業利益率は以前の6%水準までには達していません。
日本のスーパーマーケットの営業利益率を参考に確認してみます。高くても5%、トップ10ランキングで確認した場合でも、2〜3%です(引用:業界サーチドットコム)。このように考えると、日本のスーパーマーケットと比較すると、WMTの営業利益率は高い方ですね。スーパーマーケットは、メーカーなどと取引をしているため、売価を直接設定できないことが多いです。小売価格や売値が決められてしまうため、下流になればなるほど利益(取り分)が減ります。小売業界の特徴です。販管費を抑えて営業利益率を上げていくことが必要と思います。
純利益
純利益についてです。2019年は2018年と比較して、30%強の純利益が減少しています。この理由についてですが、主に3点あり、(1)税制改革による調整、(2)JD.com社に対する株式投資、(3)ブラジルのWalmartの過半数株式(80%)の売却による損失が理由です。これらは営業損失として83億ドルが計上されており、純利益の減少につながったと思います。FY2019の通期決算資料ではこれらの内訳について記載されていません。
この内訳を確認するため、過去の決算書を読み返しました。FY2019 2Qの決算書を見ると、特に(3)のブラジルビジネス撤退についての損失計上が大きいことが読み取れます。約48億ドルの税引き前損失と記載されています。
このようにWMTは、低成長の市場から撤退しようとしています。一方、中国やインドのような国に投資することで海外事業の拡大を図ろうとしています。このため、(2)のJD.com社への投資を行なっていると考えられます。中国の会社で、JD.com社はeコマース事業を行なっている会社です。
EPSと配当性向
EPSと配当金/株・年の推移と配当性向についてです。上述の通り配当金については増配しております。2019年のEPSは、純利益の減少に伴い、EPSも減少しています。配当性向も、このため2019年は92%と高くなっています。なお、2019年通期の決算書を見ると、WMTは278億USドルの営業キャッシュフローがあり、配当と自社株買を通じて135億ドルを株主に還元したとあります。
なお、調整後EPSはFY2019 1月期で4.91 US$となっています。一方、FY2018 1月期の調整後EPSは4.42 US$です。特別利益や損失を除外したEPS(調整後EPS)で考えれば、10%以上のEPS増となっています。今後のWMTのビジネス状況を確認していくことが必要と思います。
項目 | FY2018 1月期(US$) | FY2019 1月期(US$) |
EPS | 3.28 | 2.26(-31.1%) |
調整後EPS | 4.42 | 4.91(+11.1%) |
営業キャッシュフローと営業キャッシュフロー・マージン
営業キャッシュフロー(CF)と営業CF・マージンについてです。営業キャッシュフローとは、商品の仕入れや販売だけでなく、人件費などの関わる企業の営業活動から発生するキャッシュの量を示します。その企業が実際にいくらのキャッシュを生み出したのかを確認できる項目です。営業キャッシュフロー・マージンとは、この営業キャッシュフローを、売上高で割ったものです。キャッシュは、実際に起こった事実を示すものであるので、当然ビジネスで発生する資金の入出金は事実で考える必要があリます。営業キャッシュフローを売上高で割った営業CF・マージンは、同業他社と比較する際に有用と考えられている指標の1つです。
営業CF・マージンは、5〜7%と安定していることがグラフからわかります。
(引用: 米国WMT HPより)
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米国ウォルマート・インク【WMT】の配当金・連続増配・業績などの推移のまとめ
- 配当金は、2%の配当利回り予想
- 増配率は近年2%以上で推移し、46年連続の増配が行われている
- 売上は緩やかな増加傾向、純利益/EPSは一時的な損失計上により減少
- 増配は今後も行われるとは考えられる
- 営業CF・マージンは、5%
※投資は自己責任でお願いします。