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アルトリアグループ(以下、MO)は、アメリカの企業の1つで世界最大のタバコ製品の製造販売メーカーです。今回はこのMOの配当金推移、収益指標の推移などについて確認していきたいと思います。2008年にフィリッピモリスインターナショナル(PM)を分社化しています。このため、アルトリアグループの売り上げは、米国100%となっています。
タバコを吸ったことがない方でもマルボロ(Marlboro)という製品名を聞いたことはあるのではないでしょうか?白に赤いパッケージの製品です。一方、マルメン(MarlboroのMentholメンソール味の略称)と言うメンソールのタバコもありますね。これは白に緑色のパッケージ製品です。
アルトリアグループは連続増配を9年行っている企業であること、配当利回りも6%を超えて高くインカムゲイン投資を行う上では期待のできる銘柄です。このMOについて、配当金、売上、営業利益、EPS などの収益指標や配当金などをチェックしてみたいと思います。
この記事が参考になる方は、以下の方です。
この記事が参考になる方
- 配当金の推移を確認したい
- 収益指標を確認したい
- 投資対象とするか悩んでいる方
【目次】
配当金の推移
最初に、米国MOの現在の株価と配当利回りからです。税引き前で、配当利回り予想は、6.06%となっています。6%を超える高配当株です。では、続いて、この高配当株であるMOの配当金の推移について確認してみます。配当金はその年に受け取るだけではなく、今後も安定的に受け取れるかが重要です。また、この際に、配当金が今後も増加するものか(増配率はどうか)気にされる方も多いと思いますので、過去の配当金から今後の配当金の推移を考えていきたいと思います。増配がされている時期から配当金の推移をまとめています。
株価(US$) | 1株配当(US$)/年 | 配当利回り(%)税引き前 |
52.79 | 3.20 | 6.06 |
4半期及び各年の配当金
まず配当金から確認してみましょう。2008年にフィリッピモリスインターナショナルを分社化したため、2009年からの配当金推移を確認します。グラフは2009年から2018年までの配当金推移を示したものです。MOは、四半期毎に配当金を支払ってくれているため、四半期毎の配当金を示しながら、その年の年間配当金についても示しています。
グラフを見ていただくとわかる通り、この期間綺麗な右肩上がりで配当金が増加していることがわかると思います。1995年は、年間配当金の受取額は、1.32US$でしたが、2018年は、3.00 US$となっています。この9年で配当金の支払額が約2.3倍になっています。当時、10万円の配当金を受け取っていた場合、現在は23万の配当金を受け取れている計算となります(税引き前)。
増配率
配当金が増加していることはわかりましたが、続いて、実際にその増配率について確認していきたいと思います。MOは、9年連続で増配を続けている優良企業です。
2009年から2018年の期間で、以下のグラフは各年の年間配当金に対して、翌年どのくらいの増配率があったかを示しています。
増配率を見ると、綺麗な右肩上がりで増配していることがわかります。8%以上は増配しています。今後も継続的に増配がされるかどうかの確証はありませんが、6%を超える配当利回りの配当金が受け取れるので有難いことです。
株式分割の歴史
株式分割の歴史について確認してみます。MOのHPを見ると、これまで2回の株式分割が行われています。
分割日(配当基準日) | 分割割合 |
1997年4月10日 | 3:1 |
1989年10月10日 | 4:1 |
売上高と売上総利益
続いて、売上高と売上総利益についてです。2009年以降の売上高の推移を確認すると、ほぼ横ばいです。一方、売上総利益率をみると、この期間においては約40〜50%です。売上総利益率は、売上高に対する総利益(売上高から売上原価を差し引いた粗利益)を100分比で表したものです。
続いて、直近の2017年と2018年の売り上げ高とその構成について確認してみたいと思います。下記の表の通り、2017年および2018年で喫煙製品(Smokeable Products)が全体の約88%を占めています。タバコを吸う方が最近減ってきているとは言え、紙巻きたばこがMOの売り上げを支えていることがわかります。
内訳 | 2017年売上高 | 2018年売上高 |
Smokeable Products |
22,636 |
22,297 |
Smokeless Products |
2,155 | 2,262 (+5.0%) |
Wine |
698 | 691 (-1.0%) |
All other |
87 | 114 (+31.0%) |
合計 | 25,576 | 25,364 (-.0.8%) |
(単位: US $ (million))
出荷量を比較してみると、喫煙製品と無煙製品で比較すると、それぞれ2017年から2018年に対して5.7%, 1.0%減少しています。
内訳 | 2017年出荷量 | 2018年出荷量 |
Smokeable Products |
118,148 |
111,392 |
Smokeless Products |
841.3 | 832.6 (-1.0%) |
シェア率(retail share)を比較してみると、それぞれ50%を超えています。半分のシェアはキープできています。
内訳 | 2017年シェア率 | 2018年シェア率 |
Cigarettes |
50.7% |
50.1% |
Smokeless Products |
54.0% | 54.0% (変動なし) |
営業利益と営業利益率の推移
営業利益と営業利益率についてです。営業利益とは、企業が本業で稼いだ利益を表しています。売上高から売上原価を差し引いた売上総利益から、さらに販管費を差し引いて計算された値です。営業利益率は、この売上に対する営業利益率です。営業利益を見ると、徐々に増加傾向にあることがわかります。営業利益率は、30〜40%弱です。
純利益
純利益についてです。2016年に大きく純利益が増加していますが、こちらについて説明します。
2016年の決算報告では、『2016年10月にAnheuser-Busch InBev SA/NV(以下、AB InBev)とSABMiller plcとの企業合併が完了し、MO(アルトリアグループ)が合併後の会社の9.6%の株式を取得した。その後、MOはAB InBevの普通株約1200万株を購入し、その所有権を約10.2%に増加した。』となっています。この合併に伴い、保有しているSABMillerの株式を現金と株式を組み合わせて売却し、139億ドルの税引き前利益が計上されたためです。
EPSと配当性向
EPSと配当金/株・年の推移と配当性向についてです。上述の通り配当金については増配しております。配当性向は、先ほどの2016年の利益計上などの要因を除くと基本は80%近くの配当性向となっています。これは、決算書にも『MOは調整後希薄化後のEPSの約80%の配当性向を維持する予定』と記載されています。これは2016年の決算書にも記載されていましたので、年間に受け取れる配当金については、ビジネスが順調に行われている限りは、この80%で考えていけばいいのではと思います。
営業キャッシュフローと営業キャッシュフロー・マージン
営業キャッシュフロー(CF)と営業CF・マージンについてです。営業キャッシュフローとは、商品の仕入れや販売だけでなく、人件費などの関わる企業の営業活動から発生するキャッシュの量を示します。その企業が実際にいくらのキャッシュを生み出したのかを確認できる項目です。営業キャッシュフロー・マージンとは、この営業キャッシュフローを、売上高で割ったものです。キャッシュは、実際に起こった事実を示すものであるので、当然ビジネスで発生する資金の入出金は事実で考える必要があリます。営業キャッシュフローを売上高で割った営業CF・マージンは、同業他社と比較する際に有用と考えられている指標の1つです。
営業CF・マージンは、15〜20%と安定した数値となっていることがグラフからわかります。
(引用: 米国MO HPより)
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米国アルトリアグループ【MO】の配当金・売上・営業利益などの推移のまとめ
- 配当金は、6%の配当利回り予想と高く、以前高配当株としての投資対象としてオススメ
- 増配率は8%以上で推移し、9年連続の増配が行われている
- タバコや無煙製品のシェア率は50%
- 営業利益は若干の増加傾向にある
- 増配は今後も行われるとは考えられ、80%の配当性向
- 営業CF・マージンは、約15%を超え安定
※投資は自己責任でお願いします。